嫌なこと、全部やめても生きられる(プロ奢ラレヤー)
突然ですが、皆さんは「他人のカネで焼肉が食べたい」「働きたくないけど、ラクがしたい」なんてことを思ったことはありませんか?
唐突な書き出しから始まる本著は、ツイッター界隈でも著名な「プロ奢ラレヤー」の初の一冊。タイトルからも分かる通り、「人生、逃げたっていいんだ」という天を強く後押ししてくれる、そんな一冊に仕上がっています。
プロ奢ラレヤーとは何者なのか
この文面から人は何を思うだろうか。そんなことを超越するくらい、ツイッターでの発信が非常に面白く核心をついていると感じるインフルエンサーの一人です。
人の金で生活をしている、と聞くと「けしからん」とか色々と思う人も多いと思いますが、それでも実際に奢りに来ている人が存在し、彼はそれで生活ができているという事実があります。
本著は、そんな彼の物事の取られ方、考え方から、この世の中を生き抜いていくためのマインドセットについて学ぶことができる本です。
この本をおススメする人
この本を読むのにオススメする人は、現代社会に疲れた人たち。
- 生きるのがつらい
- 人生が楽しくない
- 仕事で嫌なことがあった
- 好きなことで生きていきたい
そんなことを日々考えている人たちにとっては、休息を与えてくれる一冊になっています。プロ奢の考え方に触れると、これまでの息苦しい生活が一変、マインドの切り替えだけでこれほどにすがすがしい気持ちになるのか、といった感覚を覚えることができます。
「嫌いなことでは生きていかない」というひとつの生き方
昨今YouTuberなどの台頭によって「好きなことで生きていく」というキャッチコピーが蔓延していると思います。誰しもが好きなことをしてそれでお金が稼げれば幸せだ、ということはわかっていながらも、実際にそれを実現できている人はごく僅か。
それぞれいろいろな生き方がある中で、本著の中では「嫌いなことでは生きていかない」ということを提唱しています。
「そんなこと言われても」と思うような内容も時にはあることでしょうが、本著を読めば、嫌いな上司も、仕事で辛いことがあった時でも、どういうマインドで臨めばいいのかを教えてくれます。
あらゆるケースに想定された考え方がちりばめられており、全ての考え方を本当にマスターすれば、まさしく「嫌いなことでは生きていかない」という生活が体現できるのだと思います。
ストレスの本質を見抜けるようになると、真のストレスフリーが得られる
他人に悪口を言われたときに、悲しい気持ちになったり、腹立たしい思いが湧いてきます。こうしたときに発生するストレスには、そもそも相手に何かを期待していて、それが期待通りにいかないからストレスが溜まるのです。
・ストレスを減らすには、自分にとって不自由なことを定義づける
・定義づけたら、そこから少しでも自分が自由になれる領域を探し出す
・そこに、新たな楽しみが生まれることもある
すべての出来事を自由にすることは難しいと思いますが、一部だけでも自分の中で楽しみにを見出していくこと。
本著では満員電車の乗り方を一例に挙げられていますが、「どの時間のどの車両に乗るのが最も効率がいいか計算して乗るとうまくいったときに楽しい」といった話が取り上げられています。住んでいるところを簡単に変えられず、満員電車で毎日ストレスにさらされていても、こうした考え方を実践していくことで、少しでもストレスと軽減し、逆に新たな楽しみを見つけることもできるという好事例です。
人生における悩みの根源とは何か
すべての悩みの根源は「どうにもならないことを、どうにかしようという態度」」
この一文は本質をついていると感心した部分です。
あきらめ方が上手な人は人生を楽しめる、というのはヤマシタ個人としても非常に共感する考え方であって、できるできないの判断軸を明確に自分の中に持っていくことが重要だと考えています。
ビジネスシーンにおいても、どう頑張っても今の状態からこの目標は達成できない、といった時にも、叱咤激励でしゃかりきに働かされているような状態、これは非常にストレスが高い。そんな状態であれば、いっそ今期の目標を修正し、ある意味で諦めて違う道を考え直すことの方が重要だったりします。
どうにかしなければ!と奮い立つことはとても大切でゃありますが、それによってストレスがかかりすぎて身体を壊してしまえば本末転倒です。
「他人と過去は変えられない」というよく聞く言葉も、ひとえにあきらめから生まれる考え方だと思います。他人のことを変えようとして悩んでいても仕方ない、というのは、あらゆる悩み事に対してピボットした考えを展開することができるはずなのです。
目標設定という「洗脳」について
私たちは、小さなころから「目標を立てる」ということに慣れてきました。将来の夢は?という質問は、幼稚園から続く伝統的な質問ですが、当時の自分からすれば、世の中の職種の1%も知らない状態から、将来の職業について聞かれるという。認識できている職業の中から立てる夢というのは、自分の欲望から生まれているものというよりは、見えている選択肢から仕方なしに選択した夢であることが多いと思います。
そこで立てた夢をかなえている人がいることは賞賛すべき事実ですが、多くの一般人はそんな夢を忘れてしまうことがほとんど。それは夢を自分の欲望とは切り離したところに置いているからだとプロ奢ラレヤー氏はいいます。
願望や欲求がない中での目標は、形骸化したマントラのようなものであると。そのマントラに自分が支配されてしまってはそもそも目標としての機能を果たさないのです。
自分が本当にこうしたい、こうなりたいといった「感情」が初めに会って、そこから夢や目標といったものが「勝手に立つ」という表現の方がしっくりきます。
仕事上においては、目標設定というものも人事評価上ある話です。その中においても、仕事で褒められたいからとか、給料上げたいから、といった欲求に沿った内容にしなければ、何のモチベーションにもなりません。
嫌なこと、全部やめても生きられる:まとめ
本著の内容を一言で表すと、
この考え方が根源にあって、プロ奢ラレイヤー氏の生き方を一つの生き方として提示してくれる内容になっています。この生き方そのものの是非というよりも、今の生き方に悩みを抱えている人や、ストレスを感じている人にとっては、多少の拒否反応を覚える部分もあることでしょう。
しかし、彼の生き方の中にも、人生における考え方として学べる部分、エッセンスはたぶんに含まれている本です。
ストレス社会で使えれているビジネスマンにも、是非取ってもらいたい一冊となっています。