『MBA100の基本(グロービス/ 嶋田毅)』感想・要約 ビジネスの基本が網羅的に学べる本【書評】
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MBA100の基本の内容

すべての答えは「基本」にある。迷ったとき、悩んだとき、答えを探しているとき。

いつも手もとに置いておきたいビジネスパーソンの必携バイブル。

論理思考/問題解決/経営戦略/マーケティング/リーダーシップ/組織/

定量分析/アカウンティング/ファイナンス/新事業創造/交渉・説得・会議

ビジネススクールの2年間で学ぶ必修知識&フレームワーク が「1フレーズ」ですっきりわかる。

MBAとは、いっぱしのビジネスパーソンであれば聞いたことがあると思いますが、「Master of Business Administration」の略で、日本語では、「経営学修士」と呼ばれます。

経営の3要素であるヒト・モノ・カネの知識習得をすることで、経営者のサポートを行う、ビジネスプロフェッショナルと言い換えることができます。

本来のMBAとは、論理思考、経営戦略、マーケティング、アカウンティングにファイナンスと、ビジネスにおけるあらゆる領域を学ぶプログラムになっているのが一般的ですが、本著はその基礎の基礎、というレベルで、MBAとは何か?といったことを学べる本に仕上がっています。

既にビジネスの最前線で戦っているビジネスマンにとっては、そんなことは知っている、といわれるようなことも数多く書かれているので、物足りない人もいるかもしれませんが、「MBAとは何ぞや」「広く浅く学びたい」「改めて包括的にMBAの事を知りたい」といった方にとってはオススメの一冊です。

MBAのグロービスとは

本著のベースとなっているのは「グロービス経営大学院大学」のMBAプログラム。

株式会社グロービスは、様々な事業を行っている会社ではありますが、主に社会人に対してのスキルアップを目的とした、グロービス経営大学院大学が有名。

2006年4月に株式会社グロービスが東京都千代田区のキャリア教育推進特区を利用した「株式会社立大学」(学校法人ではなく営利企業としての株式会社が設置した大学)として創立した。その後、2008年には設置者を学校法人グロービス経営大学院に変更し通常の学校法人立の私立大学となった。経営研究科のみが設置されている。

「社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーの育成」をその教育方針に据え、原則として企業や官公庁、団体等における3年以上の社会人経験を有する者を対象にしている。現在は東京都千代田区と大阪市淀川区、愛知県名古屋市中村区、宮城県仙台市青葉区、福岡県福岡市博多区にキャンパスがある。2009年4月には英語によるMBAプログラムを開講した。

引用:Wikipedia - グロービス経営大学院大学

そんなMBAプログラムのカリキュラムを分かり易い単語に集約しかみ砕いて教えてくれるのが、MBA100の基本 です。

MBA100の基本:目次

  • 論理思考―説得力を高める
  • 問題解決―望ましい状況を手に入れる
  • 経営戦略―よき戦略なくして長期的な繁栄はない
  • マーケティング―効果的にキャッシュを得る
  • リーダーシップ―人が動いてくれなければ、どんな仕事も実現できない
  • 組織―いい仕組みが競争力を向上させる
  • 定量分析―数字を使って意思決定をし、人を動かす
  • アカウンティング―会社の数字を正しく読みとる
  • ファイナンス―企業価値の最大化を図る
  • 新事業創造―企業存続の道であり、経済成長の源
  • 交渉・説得・会議―コミュニケーションによって生まれる価値
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論理思考とは イシューからはじめよ

説得力のある主張をするためには、まず「何について考えるべきか」を把握しておく必要があります。この「何について考えるべきか」を論点あるいはイシューと呼びます。

会議が紛糾するとき、抽象度を必要以上に広げる人や、一般論と個別論を混同する人などがいます。全員がすべての論点を把握した会議であればこれほど生産性が高くスムーズな会議はないのですが、どうしてもこの会議のイシューは?となるシーンが出てきます。そもそも「この会議では何を議論すべきだったのか」といったことを抜きにして議論をしてしまうと、どうしても論点が煩雑になり前に進みません。論理志向を持ち、説得力のある主張をするために、まずはイシューは何なのか、といったことを忘れてはいけません。

分けることはわかること MECE(ミーシー)

分解を効率的に行う際に有効な考え方がMECE(Mutually Exclusive,Collectively Exhaustiveの略。ミーシーと呼ぶ)です。これは、「モレなくダブりなく」(あるいはモレなしダブりなし)という意味です。

物事の全体を要素に分解していくことで本質に近づいていくことができます。その時に考えるべきは、モレなくダブりなく物事を切り分けられているかどうか。

しかし、改めて物事をMECEに分けることは簡単な事ではありません。モレとダブりを比べると、モレを極力減らすことの方が重要とされています。これは、ダブりはあとからでも見直すことができますが、分ける際に視点としてモレがあることにより、重要な視点が抜けたまま議論を進めることが大きなリスクになることがあるためです。

分けることはわかること。全体像をそんなに簡単に分かれば誰も苦労はしません。ただ、このような考え方を知っておくだけでも、視点の広げ方をイメージすることができるでしょう。

大事なのは、何をするかではなく、何をしないか

経営戦略論の大家、マイケルポーターの有名な言葉に、「ここから先のことはしない」と明確に決めることが重要であるというものがあります。これには明確な理由があります。ビジネスにおける経営視点、ヒト、モノ、カネ、情報、ネットワークには、限りがあるためです。理想論を突き詰めれば、経営資源がどれだけあっても足りません。ビジネスの現場においては、こうした経営資源は往々にして枯渇しています。

そんな時に、どのような戦略で経営課題に取り組んでいくべきか。「選択と集中」という言葉が昨今の日本社会では浸透してきましたが、すべてできるわけではなく、どこまでやるか、何をやらないかを明確に決める、というのが経営戦略を策定する第一歩であると言えるでしょう。

顧客がほしいのは1インチのドリルではなく、1インチの穴である

マーケティングの基本では、顧客のニーズを的確に理解することが求められます。ドリルが欲しい人は、正確に言えばドリルそのものが欲しいのではなく、穴をあける手段としてドリルを欲しています。突き詰めれば「穴をあけたい」だけなのです。

メガネメーカーは、顧客はメガネをほっしていると考えてしまいがちです。しかしこれは顧客の根源的なニーズではありません。マーケティングの専門用語ではウォンツと呼ぶものです。本質的なニーズはあくまで「ストレスなくモノが見えるようになる」ということです

マーケティングにおける、顧客ニーズの適切なキャッチアップは、基本中の基本でありながら、多くのビジネスマンが勘違いしてしまいやすい領域です。改めて顧客の根源的ニーズをつかむことを心がけていきましょう。

MBA100の基本:まとめ

本著ではMBAプログラムにおける各領域を100項目に分け、シンプルかつ分かり易い言葉で説明しています。MBA100の基本、というタイトル通り、基本中の基本という領域なので、MBAってなに?というレベルの人が読んでもすんなりと理解することができます。

既にビジネスの最前線で戦っているビジネスマンにとっても、改めて自分のビジネス領域における重要な視点を見直すきっかけにもなります。

すべての働く人にとってオススメの一冊に仕上がっています。

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