「読書」を結果に繋げるための「アウトプット」の重要性
ビジネスマンは「仕事をしながら学ぶ」ということが、自身の成長のために必要なことと広く認識されていますが、その方法として、セミナーへの参加や、ビジネス学校への入学、異業種交流会など様々な方法があります。
中でも最も簡単に学びを得られるのが、やはり「読書」。
先人の知恵を簡単に得られるとあり、多くのビジネスマンが多かれ少なかれ読書をしていることと思います。
しかし、読書は学びの中でのあくまでもインプットの一つ。それだけでは、本来の「学び」の効果は半減してしまいます。
この本では、「学び」を「結果」に変えるために必要なメソッドを数多く紹介。著者の樺沢紫苑さんは精神科医として、医療的なアプローチからも「アウトプット」の重要性を教えてくれています。
この記事では、30代ビジネスマンのヤマシタが、実際の仕事にも生きるメソッドをピックアップしてご紹介します。
「現実」はアウトプットでしか変わらない
本著の本質的な部分である、アウトプットの重要性を最も分かり易く説明している項目です。
インプットとは「読む」「聞く」のことを指し、「話す」「行動する」がアウトプットであるとされています。
インプットすると、脳の中の情報や知識が増えます。しかし、インプットだけでは、現実的な変化は何ひとつ起きません。
どんなに素晴らしい本を読んでわかった気になっても、そこで得た知見を基に実際にアクションを起こさなければ、脳内世界が変わるだけ。現実世界では何も変わりません。
学びを結果に変えるためには、必ずアウトプットという具体的な行動が必要なのです。
アウトプット手法:柔らかく的確に伝える「クッション話法」
実際のアウトプットの手法の一つで、人に「悪いニュース」を伝えるときに有効な手段だと紹介されています。部下に厳しいことを伝える時、上司に悪い結果を報告するときなど、様々なシーンがビジネスの現場では起こりますが、そんなときに、「最初に悪いニュースを伝える」というNo But話法というやり方があります。
「悪いニュース」をストレートに先に伝えると、相手は精神的にショックを受けるので、後半の部分は上の空になってしまいます。
これに対して、クッション話法というアウトプット手法が紹介されています。
- Yes But話法
- Yes And話法
- Yes How話法
「最近、売上業績もアップしているし、すごくがんばっているね。どうすればもっとよくなるか一緒に考えてみよう。」
直接悪いニュースを伝えずに、遅刻を減らす、という事実を本人の口から言わせるという手法。人間の行動が変わるには、本人の「気づき」が重要であり、そのための言い回しの一つです。
どれも、先にいいニュースを伝えてから、悪いニュースを伝えることで、相手の心を開くことができます。
5分だけ頑張って「やる気スイッチオン」
なかなか仕事が始められない、という悩みを多くのビジネスマンは抱えている事と思います。ヤマシタもその一人ですが、こうした悩みを解消できる、夢のような方法。それは「まず始める」ということ。
始められたら苦労しないよ、という誰もが同じ声を上げそうな方法ですが、脳科学的な側面から見ても、これはどうやら正しいよう。作業興奮とよばれる、「作業を始めるとだんだん気分が盛り上がってきてヤル気が出てくる」という状態が、脳科学のメカニズムでも明らかになっており、脳のやる気スイッチを押すことができるとされています。
そのために必要なのが、「まず始める」こと。やる気はあとでついてくる、まずは5分机に座って簡単な作業を始めて5分頑張ることが大切なのです。
「アウトプット大全」:まとめ
本著では、この記事でご紹介したもの以外にも、アウトプットのメソッドが数多く登場します。冒頭に記載があった通り、学びはインプットだけでは定着しませんし、インプットだけでは、脳内世界が変わるだけで、現実世界における結果に繋げることはできません。
数多くの本を読んでいても記憶に残っていない、実際のビジネスの現場で活かせていない、と感じている多くの方にお勧めできる本だと思います。