羽生善治の『決断力』感想 勝負師の本はビジネスで役立つことを教えてくれた一冊【書評】
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羽生善治プロの著書「決断力」

かの有名な将棋プロである羽生善治氏の著書は数々ありますが、本著「決断力」は屈指の名著として評されています。タイトルの決断力、という言葉からも、将棋という勝負の世界に身を投じ、神経をすり減らしながら日々を戦う羽生善治氏がいかにして決断力を培っているのか。こうした視点を学ぶことができる一冊です。

将棋の事を知らない人でも、羽生善治の名前は知っているという人は数多くいると思います。今や国民的な有名人の一人である、羽生善治プロの勝負勘を垣間見ることができます。

「決断力」をオススメする人

将棋棋士である羽生善治氏の著書ではありますが、勝負ごとに生きるすべての人が熟読すべき一冊であると感じます。

特に我々のようなビジネスマンにとっても、日々を戦う中では、毎日が勝負ごとの連続です。そんな中での精神力は、プロの勝負の世界に投じている人の知見は参考になることでしょう。

勝負の世界で戦う人の考え方を知りたい、羽生善治の名言を見てみたい、といった方々にもオススメの本となっています。

本記事においては、それぞれの中身について詳細は触れませんが、目次を見ていただくだけでも内容がつかめるように、ヤマシタなりに琴線に触れた内容についてまとめたいと思います。

第一章 勝機は誰にもある

勝負事において、もっとも重要なものは精神力であると羽生氏はいいます。土壇場で追い込まれているときに、心が折れてしまうと選択肢を誤りそのまま敗北を喫することになる、というのは、将棋以外の世界においても同様だと考えられます。

気持ちを強く持てるかどうかは、過去の経験値が豊富であるかどうかもさることながら、自ら知らない事へチャレンジしていくという「勇気」も重要です。経験が時としてネガティブな選択のもとになることもあり、勇気をもって前に進むことの重要性をここでは教えてくれています。

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第二章 直感の七割は正しい

定石と呼ばれるセオリーのような手順が将棋にはあるといいます。ビジネスにおいても様々な工程の中でセオリーと呼ばれるものはあるでしょう。

しかし、そこからブレイクスルーしていくためにはやはり「ひらめき」が必要になってきます。常識を疑い、新しい考え方やアイデアを生み出していくことが、現代社会のビジネスの最前線では必要です。そんな中においては、過去の経験を基にして、新たなひらめきを生み出すことが求められます。

そして、そのひらめき、直感と呼ばれるものの七割は正しいということを羽生氏はいいます。直感が正しかったかどうかというのは、結果でしか確認ができません。今あなたのひらめいたアイデアが正しいかは、それを実行して初めて成否がわかるものです。そのひらめきの七割が正しいものであると考え、前向きに勇気を持って取り組んでいくこと、これこそがひらめいた内容を成功として結果に結び付けていくための秘訣なのだということが本著からは読み解けます。

第三章 勝負に生かす「集中力」

集中力というものはは、勝負の世界においては必須の力です。自らの力を百パーセント発揮するためには、深い集中力が求められます。その集中力は、海に深く潜るステップと同様に得ることができるといいます。本来人間の身体は深くまで海に潜ることを想定されていません。しかし、人間の力はすごいもので、生身でも何十メートルも深く潜ることが可能な人もいます。こうした人たちでも、ゆっくりと深く深く潜っていくのですが、集中力を深めていくプロセスはこの潜るプロセスに似ているのだそうです。

ゆっくりということに加えて、頭の中に空白を作ることも重要だと言います。あくまでもイメージの話にはなりますが、頭をフルパワーで稼働してしまうと、余白がなくなり、現在の思考を整理することができません。パソコンのハードディスクのようなものを想像されるとイメージしやすいと思います。余白をもってゆっくりと、呼吸を整えることで集中して物事に取り組むことができるのです。

第四章 「選ぶ」情報、「捨てる」情報

現代社会は情報過剰時代といわれます。情報を取捨選択することは日々呼吸のように行われており、その情報の量と質によって、ビジネスの成否が決まると言っても過言ではありません。

しかし、情報を数多く選べばいいのか、というとそういうことではありません。

どちらかといえば、多くの情報から、「捨てる」情報を決めていくプロセスの方が重要です。自分はこの情報は不要だ、と決断する能力が求められます。

現代ビジネスにおいては「やらないことを決める」というセオリーにつながります。

第五章 才能とは、継続できる情熱である

ものごとを継続するために必要なこととは何でしょうか。ここで参考になるのは、子どもはなぜ何かに夢中になることができるのか、という視点です。子どもは、何かが「できた!」という喜びを糧に次のステップに進んでいきます。このできたという実感こそが物事を継続させるためのドライバーとなるのです。

我々のビジネスの世界においても、自らが仮説立てた施策が見事な成果を上げたときに、人は大きな充実感と達成感、そして次なる行動に対してのモチベーションが上がります。才能とは、もともと与えられたものを指すというよりは、こうした経験を基にして、何かを継続することができる情熱であると羽生氏はいいます。

決断力:まとめ

本著の中では羽生善治氏の考え方から、勝負の世界における決断力を磨くためのメソッドを数多く学ぶことができます。羽生善治氏の名言も数々収められている一冊です。

10年以上も前の本ではありますが、令和時代の現代においても、勝負の世界に身を投じている一人の考え方として多くのビジネスマンの愛読書としてオススメできる本でした。

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