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ファクトフルネス(FACTFULNESS)とは

2019年の世界における大ベストセラー「ファクトフルネス(FACTFULNESS)」は、世界を正しく把握・理解するために必要な知識が書かれている本です。

ファクトフルネスは、数々の「世界の真実」を具体的事例を交えてわかりやすく解説してくれます。

ファクトフルネスを読み進めていくことでわかることは、「世界は私たちが思っている以上に深刻な状況”ではない”」ということ。我々日本人をはじめとした先進国の人々は、貧困国と(イメージを含め)呼ばれている国に対して、事実をよりネガティブに捉える傾向があります。

ファクトフルネスでは、こうした多くの知識人が「世界はどんどん悪くなっている」という考えに至ってしまう原因を、人間の10の本能に紐づけています。

 

ファクトフルネス(FACTFULNESS)をビジネスに活かす

本記事では、ビジネスマンがファクトフルネスを読むことによって得られる学びを簡単にまとめたものです。細かな内容などは、数多くの良質な書評記事をご参照ください。

現代社会の中で、第一線でビジネスを回している多くのビジネスマンにとっては、「世界の真実」といったものに関心が高くない人もいるかと思います。

そんな中でも「ビジネスに活かす」というテーマを扱う理由としては、「人間の本能が世界の真実さえも歪めて認識させる」という事実があるためです。

ファクトフルネスがこれだけ売れている理由としても、こうした本能があることをベースに、ビジネスもコミュニケーションもあらゆる物事の捉え方を変革することができる実感を得ることができるためだと思われます。日本のビジネスマンにとっても、世界の見方を、日本の見方や人の見方という点を変革するための助けになる一冊だと強く感じます。

 

ファクトフルネス:10種類の思い込み

世界を正しく認識できなくなる原因は、人間の10個の本能によるものです。

  1. 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
  2. ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
  3. 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
  4. 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
  5. 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
  6. パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
  7. 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
  8. 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
  9. 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
  10. 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
これらは全て我々が一様に持ち合わせている本能であり、どんなに優秀な人であっても一様に持ち合わせている本能です。

「事実をベースに物事を捉えることなんて、ビジネスマンとしては当たり前」

このように考える人は、優秀なビジネスマンであれば数多くいることでしょう。しかし、データや事実を使って物事を捉える、という領域にも、ここでいう10の本能がその邪魔をしにかかります。これら10の本能を抑えることができなければ、事実に基づいて正しく世界を認識することができません。正しく世界を認識することができなければ、問題を適切に認識することも、課題を正しく設定することもままならず、ビジネスを正しい報告に導くことは困難です。

 

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ビジネスシーンで囚われがちの人間の本能

ネガティブ本能

人はポジティブな側面よりも、ネガティブな側面い注目しやすいという本能があります。ニュースを見ていて取り上げられる内容を見れば、基本的には暗い話がニュースになります。センセーショナルな内容のニュースの方がドラマチックな印象を受け、ニュースとしての価値が高めるためです。

例えば、ビジネスシーンにおいて「チームの状況はよくなっている」と決めつけることには抵抗があると思います。「チームの状態は何もかも順調だ」「状況はよくなっているから課題は無視すれば良い」というと、無責任と感じる人が大半です。

確かに、何もかも順調なわけはありません。課題がないという組織は、ビジネス的成長を止めることとほぼ同義です。チームの課題に責任を持って取り組むことは間違いなく重要です。

しかし、過去と今を比較したときの変化を踏まえた、「よくなっている」を認めないということも考えものです。昨年比の成長率はどれほどか、今年になって解消された課題や問題はないのか、チームの状況としてよくなっている点は本当にないのか。事実を認識をした上で、的確な評価をすることの方が、次なる手を打つ意思決定の正しさに直結すると考えられます。

今「悪い」と評価しているその要素は特定の出来事のことをいっているのか、変化の方向として実は「よくなっている」のか、きちんと振り返ることが重要です。

 

過大視本能

人は、ただ一つの数字を見せられたとき、その数字をとても重要だと感じてしまう本能があります。

一歳になる前に亡くなってしまう世界の赤ちゃんの数:460万人

この数字をだけを見た時に多くの人は「こんなに亡くなっているなんてこれは重要な問題である」と感じるはずです。

しかし、1950年には1440万人の赤ちゃんが亡くなっていました。人口の比率にすると「15%」でした。
現在、赤ちゃんは世界で1億4100万人生まれており、460万人はその「3%」に当たります。
15%が3%に激減しているのです。

460万人という数字を、単純にいい悪いとか多い少ないと言った領域で論ずるのではなく、他の数字を使ってみることで、新たな事実が見つかることがあります。

営業現場などにおいても、ある商材の受注率が30%ということがデータ上で出てきたとして、この数字一つを見たところで大した意味は持ちません。ここでいう30%という数字そのものを、とても重要に感じてしまう本能に打ち勝つためには、昔と比べての変化はどうだ、人によってどれほど偏りがあるのか、一人当たりにするとどうなのか、といった他の数字などを使っていくことが必要です。
「比較」と「割り算」を使いこなすことは誰しもできると思います。これを習慣として、数字に対峙することが重要なのです。

 

パターン化本能

ビジネススピードを上げていくために、多くの事象をパターンに当てはめていくことは定番の思考法です。ロジカルシンキングに代表されるビジネスフレームワークもこの一つで、多くのビジネスシーンで活用されている考え方ではありますが、人間の本能の中にも、パターン化本能というものがあります。

結論として、「パターン化は間違いを起こしやすいことを正しく知っておく」ことが重要です。

  • 切り口は正しく分類できているのか
  • 正しい尺度で比較できているのか

といった、比較軸が正しくなっているかを何度もチェックすることが必要です。

加えて、人間は自分が一番普通で賢いと感じる生き物です。自分は自分の経験から最善の策だと心得ている内容を、実際にはもっと賢いやり方があるのに、経験していない領域は判断できません。

「自分以外はアホだと決めつけない」ということを肝に銘じることで、立場や役割が違う別の意見を取り入れることができます。自分が作ったパターンが本当に正しいのかを省みることで、ビジネス上の意思決定のクオリティを高めることができ、とんでもない過ちを犯す確率を下げることができます。

 

犯人捜し本能

人間は、世の中の悪いことが、誰かの意思によって起きていると思い込む本能があります。そして、その意思を持った犯人を見つけることで思考が停止してしまいます。

飛行機事故が起きた時、パイロットの居眠りが発覚したらどうすべきなのか。ここで、パイロットを首にすることは簡単ですが、それ以上に、こうした事故を起こさせたシステムを正しく認識することが重要です。パイロットを首にして思考停止してしまえば、同様の事故が必ずおきます。

ビジネスシーンにおいても、誰かが悪い意思を持って悪い結果を招こうとするケースは少ないはずです。それでも悪い出来事はおきます。その悪い出来事の犯人を探すことに躍起になる本能と闘い、どういうシステムがそのようにさせているのか、複雑な要因を正しく理解し、正しく再発防止策を講じていくことが重要です。

ファクトフルネスでは、こうした様々な人間の本能があることを教えてくれます。本能なので、簡単には争うことができません。ここで重要なことは、自分自身を批判的にみながら、本能に支配されることを認め許すことが大切だということです。

どうしてこうした判断をしたのか、その時には人間の本能に支配されていたことがわかるようになれば、そのことを認め許しながらコミュニケーションをとっていくべきです。

人間はこうした本能に支配されることがあるのだな、ということを織り込んだ上でコミュニケーションをしていけば、事実をより正確に把握しながら次なる意思決定を行うことができるはずです。

 

ファクトフルネスをビジネスに活かす:まとめ

ファクトフルネスは、世界の真実を正しく理解するために必要な、人間の本能を学ぶことができる本です。ビジネスと世界の真実という領域は、言葉の響きからは少し遠い領域である印象を受けると思いますが、実際にビジネス現場で起きていることの中にも、こうした人間の本能から起こる物事が多くあります。

その原因を認識した上で、コミュニケーションが活発になっていくことで、よりファクト(事実)に基づいた、意思決定を行うことが可能になります。ビジネスの成功確率を高めていくためにも、とても学びの大きいビジネスマン向けの一冊であると言えます。

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