世界一のCRMが活用する「THE MODEL(ザ・モデル)」
THE MODEL(ザ・モデル)
マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
営業が足で稼ぐ時代は終わったと言われています。膨大なリストに闇雲にテレアポを仕掛け、そこで勝ち取ったわずかなアポイントに全力を注ぎ、商談力・人間力で勝負するオールドスタイルの営業は、これまでの日本社会においても美徳とされ、実際にそれで成果が出ていました。
しかし、IT化が進んだ現代社会においては、顧客の購買行動もどんどん変化しています。AIDMA(アイドマ)からAISAS(アイサス)といわれた時代は今や昔、現代はSNSの台頭などからみても、コミュニケーションのあり方そのものが変化している時代です。当然、BtoBビジネスを生業とする企業のマーケティングや営業活動においても変革を求められています。
本著は、日米のオラクル、セールスフォース・ドットコムといった名だたるSaaSビジネスの最前線で活躍してきた著者が、現代のマーケティング・営業をセールスフォース・ドットコムの「The Model」をベースに徹底解説。「マーケティング→インサイドセールス→営業(フィールドセールス)→カスタマーサクセス」というプロセスの全体像を解説しながらSFA・MAの使い方に始まり、市場戦略、人材・組織・リーダーシップにいたるまで、ビジネスマンであれば関心高く読み解けるボリュームある内容に仕上がっています。
THE MODEL(ザ・モデル)を読むべき読者
- SaaSやサブスクリプションビジネスに従事する人
- マーケティング担当者
- 営業職
- 営業マネージャー・管理職
- セールスフォースをはじめとするSFA・CRM等を導入している企業
営業活動を行なっている企業の方であれば誰しもが読んでおくべき一冊です。
特に、多くの顧客と継続的につながりを持つ必要のある、SaaS・サブスクリプションビジネスに従事する方にとっては必読の一冊。
また、商材によらず営業職の方にとってもオススメです。KKD(感・経験・度胸)というオールドスタイルの営業活動に嫌気が差している方、成果がうまく出ないと嘆いている営業マンにとっても、視点を切り替えるきっかけになる本となっています。
加えて、本著ではMA(マーケティングオートメーション)にまつわる内容の他にも、実際にSFA・MAを活用していく中で起こる、組織マネジメントの壁という部分が語られます。マネジメントに従事する方、特に、営業マネージャーにとっても大きな学びが得られる一冊となっています。
THE MODEL(ザ・モデル)とは何か
Salesforceの成長を実現している組織営業のベストプラクティスモデル
セールスフォース・ドットコムと言えば、世界一のCRM領域の企業です。セールスフォースが世界で目覚ましい成長を遂げている背景には、組織営業のフレームワークがあるといいます。それが本著のテーマである「THE MODEL」。
セールスフォース自信がどういったBtoBセールスを行なっているのか、その一端を垣間見ることができ、かつ、自社のマーケティングにも示唆を与えてくれるのが本著です。
営業プロセスを分解して、分業する
オールドスタイルの営業モデルにおいては、各営業プレイヤーが、リードの獲得から、商談、獲得後のフォローまでを行う、一気通貫モデルが主流でした。オールドスタイルの営業モデルの中では、各営業フローの中で、どのポイントが優れているのかが可視化しづらく、ハイパフォーマーの要因分析が困難であることが往々にしてあります。
本著で語られるTHE MODELにおいては、営業モデルを分解し、分業体制を敷くことを提唱しています。つまり、リードの獲得を行うチーム、商談・獲得を行うチーム、獲得後のフォローを行うチームが分かれているモデルです。
分業化することのメリットは、
分業体制のメリットは、最終的な売上だけを見るのではなく、各プロセスを担う部門のパフォーマンスを評価する中間指標を設定し、どこがボトルネックになのかを把握し、すぐに対策が打てるということにある。
分業体制を敷くことで、組織として改善すべきボトルネックが明確になるため、営業効率を高めるためのテコ入れがしやすく、かつクリティカルな対策を講じることができます。
オールドスタイルの一気通貫モデルで営業活動を行なっていると、好調・不調のトリガーとなる要因が曖昧なため、営業プレイヤーの能力に依存する度合いが高まります。
結果的には、KKDと言われる、感と経験と度胸に依存する営業部隊が出来上がってしまうのです。
THE MODELまとめ:ビジネスの再現性「アート×サイエンス」
プレイヤーとしての営業マンは、営業現場の最前線で顧客との折衝の中で、様々な感情を動かし、相手の購買意欲を高める取り組みをしています。全く同じ背景、性格の顧客害ないように、そこに「科学」という領域は存在しないように思われます。顧客ごとにカスタマイズされた柔軟な対応が営業プレイヤーとしては求められることでしょう。
しかし、その上位概念としては、「科学(サイエンス)」という領域は必ず存在します。
そもそも営業部門としての大方針として、どういった顧客層に大して、どういう商品・サービスを販売しにいくのか、という会社そのものの方針もさることながら、戦略的にリソースを投下するために、どういった顧客層にアプローチをかけていくか、ということも戦略の一つです。この戦略には科学的根拠を用いて行うのが通例です。過去の受注率などから着地見込みを産出することもするでしょう。