競合に勝ち抜く営業とは?『無敗営業(高橋浩一)』本の書評
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無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」

「無敗営業」というインパクトのあるタイトルに惹かれ購入した一冊ですが、本当に「営業マン必読の」一冊であると感じました。
特に、法人営業を中心として、競合他社との接戦に熾烈を極める日々を送っている営業マンにとっては、"再現性がある"メソッドが数多く登場し、体系的無敗営業を理解することができます。
紹介文でも書かれている「営業を科学する」という文言がぴったりの一冊です。
 「ほとんどの営業は、お客さまが求める期待とズレてしまっている」という現実があります。

多くの営業マンが日々厳しい戦いを強いられている中で、

  • なぜあのコンペは負けたのだろうか
  • なぜあの商談は獲得できなかったのだろうか
こうした悩みを常に抱えていると思います。
その背景には、先の通り、提案先の顧客の期待と、営業マンの認識にギャップが発生していることがほとんどです。
本著は、そのギャップを限りなくゼロにすることで、こちらの提案を飲んでもらう、"競合コンペで他社よりも価格が高くても負けない"営業を可能にします。

著者紹介:高橋浩一

東大卒、のべ3万人を指導してきた異色の営業コンサルが、自身の「コンペで8年無敗」のノウハウをついに公開!営業を科学する。
帯にある通り、コンペで8年無敗を誇る、敏腕営業マンである高橋氏。TORiX株式会社(トリックス)の代表取締役であり、営業強化支援コンサルティング事業をしているそうです。
そんな高橋氏は、昔から人見知りが特徴の少年だったそうです。
そんな彼が、企業を経て体系立てていった営業の極意をまとめたのが本著「無敗営業」です。

「無敗営業」おすすめの読者

基本的には、どんな営業マンにとっても学びが多い一冊にはなりますが、その中でも特に役に立つと感じる読者を紹介します。
  • コンペを頻繁に行っているビジネスマン
  • 法人営業
  • ソリューション営業
本著の中では、商談を3つのパターンに分類分けしています。
「楽勝」「接戦」「惨敗」という3パターンに商談を分け、その中でも「接戦」をいかに制することができるか、という観点から本書は書かれています。
 「接戦を制するための3つの質問」から、お客様とのズレを解消する4つの力」が紹介され、それぞれの詳細が章立てられていると言った具合です。
それぞれの質問の具体的なトーク例や、"お客様とのズレを解消するため"の聞くべきポイントなどが描かれるため、とても実践的な内容で、営業マンが読めば明日からすぐに実践することも可能でしょう。
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無敗営業「3つの質問」とは

接戦を制する3つの質問
  • 接戦状況を問う質問
  • 決定の場面を問う質問
  • 裏にある背景を問う質問
    前項でお話した通り、商談における「接戦」を制するために必要な質問がこの3つの質問です。

    接戦状況を問う質問

    どんな接戦なのか、内容や状況を聞くための質問です。現状自社の提案が、何位に位置しているのか、そもそも競合とではなく、内省するかどうかの接戦であるのかといったあ状況把握のための質問です。
    ここで確認することが必要なのが「BANTCH」です。
    BANTCH:営業現場で確認すべき事項
    • Budget:予算
    • Authority:決裁者
    • Needs:ニーズの抜け漏れや優先順位
    • Timing:検討や導入のスケジュール
    • Competitor:競合
    • HumanResources:お客さま側の人員体制
    様々な営業本において、必ずこれを聞くべしとか、いちいち全て確認すべきではない、といった主張も様々ですが、
     本著では、
    接戦の際には必ず聞く。楽勝や惨敗案件の際は、最低限必要な項目が聞ければOK
    という方針を勧めています。
    BANTCHは、営業現場で顧客に対するヒアリングを行う上で、抜け漏れなく確認事項をヒアリングする上で、体系的に認識しておくべき知識の一つです。

    決定の場面を問う質問

    実際に案件が決定する際の決定のプロセスをヒアリングする質問です。「なぜ、自社に発注を決めてくれたのか」その決め手になったタイミングはいつなのか、ということを、コンペ終了後に顧客に対してヒアリングをするのです。
    これは、当該コンペそのものの勝敗というよりも、将来の営業活動におけるノウハウの蓄積がメインとなります。
    決定場面に関する情報が蓄積していくことで、次の営業活動における注力するポイントが明確になることに加え、組織としてノウハウが蓄積されていけば、組織全体における「お客さまとの"ズレ"」を極小化することができるようになります。

    裏にある背景を問う質問

    基本的な質問スキルを持って繰り出すお客さまの不明点を確認する質問となります。そもそもの課題背景や、具体的な懸念といった質問を繰り出すことになるのですが、全ての不明点を逐一お客さまに確認していては質問攻めになってしまいます。先ほどの、「接戦状況を問う質問」と「決定の場面を問う質問」によって、決定場面における重要ポイントを見定め、過不足なく背景を質問していくことが重要です。

    無敗営業「4つの力」とは

    お客さまと営業の"ズレ"を解消する4つの力
    • 質問力
    • 価値訴求力
    • 提案ロジック構築力
    • 提案行動力

    質問力

    どんな営業にも必要なスキルの一つです。お客さまが考えていることを、こちらが完全に理解するために必要な質問を、オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンなどを駆使しながら、あぶりだしていく力を指します。この、質問力が磨かれていかなければ、お客さまの課題にたどり着くことはできません。

    価値訴求力

    質問力に紐づく重要なスキルの一つです。お客さまからすれば、質問をされたものに対して全て完璧に回答することは義務ではありません。目の前の営業に対して情報提供する価値がないとみなされてしまえば、質問をしたところで目的の情報を獲得することはできないでしょう。相手にとっての価値は人それぞれです。素早いレスポンスを価値ととらえる人もいれば、こちらからの情報提供に価値を見出す人もいます。それぞれ人に合わせて、という通り一遍の話ではなく、その人が価値を見出すポイントを見定め、的確に価値訴求する力が求められます。

    提案ロジック構築力

    顧客から獲得した課題に対して、こちらからの提案を組み立てていく力です。まさしく提案力、という名前の通り、お客さまの課題に対して、的確に提案ロジックを組み上げられているかが重要です。当然各営業マンには「この商品を売りたい」といった"営業マンの都合"というものが存在します。それをそのまま相手に対してぶつけても、提案として価値を感じてもらえないケースも発生します。お客さまとの"ズレ"が生まれないロジックの構築ができなければ、本当の意味での"刺さる提案"はできないのです。

    提案行動力

    各営業マンの日々の行動の力を指します。営業マンの商談というのは、客先における商談だけを指すものではありません。当然メールや電話、社内での上司からのフィードバックなど、様々なプロセスが存在します。それらのプロセスを適切に運用し、最適な提案に持ち込むことができる力が提案行動力であり、この力は、各営業マンごとの素質や努力といった点で大きな差を生みます。

    無敗営業の感想まとめ

    無敗営業という名前の通り、本著の内容をマスターすることで間違いなく"競合に負けない"営業マンに進化することができる内容になっています。
    これほどまでに体系的に営業のプロセスを分解した本はなかなか見つかりません。
    営業としての実力をつけたい、さらに進化していきたいという悩みを抱えている営業マンは是非一度手に取っていただくことをオススメします。
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