管理ゼロで成果はあがる
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「管理ゼロで成果はあがる」までのストーリーを描いた良著

マネジメントとは管理をすることではない

よく言われる言葉ですが、なかなかそれを現場で忠実に実行できているマネージャーはどれほどいるでしょうか。

本著では、「究極のマネジメント」の実践ノウハウを取りまとめ、「再現性ある状態で」、管理ゼロに至るまでのストーリーを描いています。

語弊が無いようにお伝えしておくと、タイトルに「管理ゼロで成果はあがる」とありますが、いきなり「管理をゼロにしましょう」ということが言いたいわけではありません。著者もこれまでの経験を基に、徐々に管理ゼロに至るまで様々な試行錯誤を経て、現在の「管理ゼロで成果はあがる」という状況を作っています。
いきなり、管理をやめることで成果につなげるという魔法のようなマネジメントは無い、ということを示唆しています。

しかしながら、再現性という観点で、構造分解したマネジメント手法が描かれているため、多くの企業で再現できる無いように仕上がっていると感じます。一部でも取り入れることで、多くのマネジメント層にとって有意義なノウハウになるのではないでしょうか。

管理ゼロで成果はあがる著者:倉貫義人(くらぬきよしひと)

倉貫義人(くらぬきよしひと)

株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。

1974年生まれ。京都府出身。

小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。

転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。

しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。

最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。

ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。

会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。

2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、

「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。

著書に『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)がある。

プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。

「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットー。

自らのシステム会社での経験を基に株式会社ソニックガーデンを設立。管理をしないことで成果を出す、という一般的なビジネスセオリーとは真逆な方法で成功を掴んだ方です。「納品のない受託開発」という業界人からすれば異端児というようなサービスを展開して成長している企業です。

そんな倉貫義人さんが、現在「管理ゼロ」で会社を経営しているそのセオリーについて解説してくれています。

「管理ゼロで成果をあげる」ためのプロセス

  •  第1段階:生産的に働く(楽に成果をあげるために見直す)
  •  第2段階:自律的に働く(人を支配しているものをなくす)
  •  第3段階:独創的に働く(常識や慣習に従うことをやめる)

管理ゼロで成果をあげる、と聞くと、「それぞれが好きなことをして働けばよいのだ」という勘違いをしてしまいますが、実際に著者の倉貫さんも、長い期間を経て現在の管理ゼロ状態を作ったと言います。上記にある通り段階を踏んだうえで、ようやくたどり着ける境地ということでもあり、簡単ではありません。

組織や経営の在り方を考えるうえで、誰しもが目指す「管理ゼロ」でのマネジメントを達成するために、必要なことが本著では細かく分解され説明されています。

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「木こりのジレンマ」とは

木こりのジレンマという話があります。刃こぼれした斧で一生懸命に木を切っている木こりに「斧を研いだらどうか」というアドバイスをしたところ、「木を切るのに忙しくて、斧を研ぐ暇はない」と答えたという逸話です。

これだけ聞くと、何を馬鹿なことをと思ってしまいますが、多くのビジネス現場では同様の状況が頻繁に起こっています。

最も分かり易い例が「業務の遅れを残業でカバーする」というもの。残業することでカバーできてしまうと、次回からも残業することで作業の遅れをカバーすることになります。これは対処療法に過ぎず、本質的に課題を解決しているわけではありません。本質的な課題として、「なぜ業務が遅れるのか」ということをしっかりを振り返り、その課題に対して適切な対策を講じていなければ、本質的な課題解決には繋がりません。木こりの斧が刃こぼれしている中でも、気が切れてしまうことで、刃こぼれしたまま作業を続ける、ということになります。

こうしたジレンマに陥らないためには、自分の作業を振り返ることが重要です。非効率な業務を残業でカバーするよりも、一旦課題を見直す時間をしっかりと確保し、課題解決に時間をかけていきましょう。

ホウレンソウからザッソウ「雑談・相談」へ

報告・連絡よりも私達が重視しているのは「ザッソウ」、つまり雑談と相談です。報告と連絡にかけていた時間を相談にかけると、仕事がよりスムーズに進むようになります。お互いの時間をとって話しあうことで、抱えている問題の解決に至るからです。

ビジネスマンであれば誰しもが標準装備しているであろうスキル「報告・連絡・相談」「ホウレンソウ」。社会人1年目で誰もが教わるこのノウハウですが、どうしても対面での時間を確保する必要性や、簡単な雑談ベースでのコミュニケーションを経ないので、「話しかける」事に対する心理的ハードルが高くなりがちです。

そんな時、「雑談・相談」が標準的に交わされる環境であれば、気軽にコミュニケーションをとることができます。「雑談のように相談する」ことで、大きなリスクを未然に検知することができ、経営の安定化にもつながっていくのです。

まとめ「管理ゼロで成果はあがる」

ここにあげたのは、管理ゼロにするために倉貫さんが取り組んでこられた内容のごく一部ではありますが、多くの管理職・マネージャーがチームビルディング、マネジメントの際に心がけるべき項目が数多く登場します。管理ゼロというとマネジメントコストは大幅に下がります。経営者としてはそんな理想なことはないでしょう。

実際にこうした取り組みで成果を残している会社が存在し、そのノウハウを惜しげもなく公開してくれている本著。経営者・マネジメント層の方々にとっては必読の一冊になるでしょう。

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