科学的に元気になる方法とは
冒頭このようなコピーから始まる本著は、ストレス過多社会である現代日本において、「元気になるための方法」を集めた一冊です。
- 最近元気がない
- 仕事のやる気が起きない
- 常に不安な気分だ
- 幸福感ある日々を過ごしたい
こうしたことを考えている現代社会で悩める多くのビジネスマンにとっては、まさしく目からうろこのノウハウが満載。今日から使える具体的な手法が38個も掲載されているため、すぐに元気になることが可能。日々の仕事に活きる内容ばかりです。
「科学的に元気になる方法集めました」著者:堀田秀吾
堀田 秀吾(ほった しゅうご、1968年6月15日 - )は、日本の言語学者(法言語学、理論言語学)。明治大学教授。
国内外で、商標や裁判員裁判などの司法における言語使用・コミュニケーションを中心に、理論言語学、コーパス言語学、語用論、心理言語学などの言語学の諸分野および社会心理学、脳科学などの様々な学術分野の知見を融合し、多角的な研究を展開している。また、研究以外の活動も積極的に行っており、法律事務所や芸能事務所の顧問なども務める。
ビジネスマンが参考にすべき科学的に元気になる方法5選
身体が先で、そのあとに脳は考える
「やる気スイッチ」というのは本当にあるようで、その具体的な手法としては「とにかくやり始める」ということ。何事もやる気がのらず始められないことが多くありますが、とにかく思い切ってやり始めることこそがやる気スイッチを入れるために必要なことだと言われています。
やりたくないなぁ...と、頭で思うよりも先に、行動!これが、2017年現在わかっている究極のやる気スイッチ、そして「元気スイッチ」なのです。
脳の仕組み上、やり始めなければ人間は集中できないようになっています。さらに一度作業をやり始めると、やめられなくなってしまうという構造になっています。勉強しないといけないのに、部屋の掃除をはじめたら止まらなくなってしまうというのはこの脳の構造によるものなのです。
仕事においては、営業活動でテレアポをしたくないなぁという気分の時、まず1件目の架電を始める、これによりヤル気スイッチが入り、集中してテレアポをすることができるのです。
胸を張って生活することで「できる人」のオーラが自然と発せられるようになる
重要な商談の時に最高のパフォーマンスを発揮するためにはどうすればよいのか、その手法がわかれば仕事の成果も大きく変わってきます。ここで紹介されている手法が「胸を張る」動作を取ること。
ここ一番の勝負に臨む前は、トイレなどに駆け込み、数分間背筋を伸ばし、それから本番に臨んでみるのがよさそうです。
相手にポジティブな印象を与え「できる人」というオーラを感じさせることができれば、営業における商談時、重要なプレゼンの現場などあらゆるビジネスの現場においてポジティブな影響を与えることができることでしょう。
重要なタイミングには「背筋を伸ばして胸を張る」。これを実践する癖付けをしていきましょう。
社会的な「意義」よりも個人の「好き」のほうが動機付けとしては強力
「やりたいこと」よりも「好きなこと」をやっているときの方がモチベーションが高いことが研究でわかっています。仕事においても、社会的な意義をモチベーションの源泉にすることよりも、好きなことを仕事にする方がはるかにモチベーションが高まるということです。
しかし、誰しもが好きなことで仕事ができるかというと難しい部分もあると思います。ここで上げられているのは、「メンタル・コンストラスティング」という方法。
これは、人間は「目標達成のための障害を克服できる」とわかれば元気が出るし、克服できないと元気がなくなるので、実現したい未来と現在の障害を比べて、どんな障害があるかを知り、実現可能性が高いものを選んで実現していくことで、限りがある「資源」である元気、時間、そして注意力をムダなく配分でき、目標の達成率が高くなるという考え方です。
これは、ビジネスの現場においても応用可能です。達成すべき目標があり、その目標達成のための障害を明確に認識し、実現可能性が高い具体的な行動にしていくことで、目の前の行動に集中して取り組むことができます。結果的に目標達成に近づいていきます。「売上●●●円を達成するぞ!」という目標があった場合には、そのための障壁を認識することから始めます。
気合いと根性はもちろん必要かもしれませんが、それよりもその目標達成のための障害が克服できるんだ!と認識できるだけの、「障害の認識と具体的な行動の設定」をすることで、元気が出てくる・行動を促進することができるということなのです。
マネージャーなどの管理職である方々であれば、目標をやれ!とはっぱをかけるだけではなく、目標達成のための障害を部下と一緒に設定することが重要になるでしょう。
やけ酒をすると、イヤな記憶、イヤな気持ちがより強く定着してしまう
これは元気になるために「やってはいけない」習慣ですが、やけ酒はしない方が良いようです。
やけ酒はストレス解消になるどころか、かえってイヤな記憶を強めてしまう
アルコールを常習すると、イヤな記憶を消す能力が下がる
こうした研究結果から、仕事で嫌なことがあったとしても酒の力を借りることはお勧めできません。酒の席では楽しめる程度に、ほどほどの量を守って飲むことを常に意識する必要がありそうです。
勝負の直前に「不安」を書き出すことでパフォーマンスがむしろ高まる
重要な商談やプレゼンの直前に、今抱えている不安を書き出すことでパフォーマンスが高まることが研究結果でわかっています。
では、なぜそのような効果が出たのかというと、そうすることで脳の「ワーキングメモリ」が開放されるからなのです。
ワーキングメモリとは、インプットしたばかりの情報や、目の前で起こっている物事を一時的に覚える短期記憶のこと。ワーキングメモリを占有している不安な物事を書き出すことでワーキングメモリが解放され、本来集中すべき商談やプレゼンの内容に脳を集中させることができるようになります。結果的に脳のパフォーマンスを高めることにつながり、ポジティブな結果につながりやすくなるのです。
科学的に元気になる方法集めました:まとめ
本記事では、ビジネスマンに役立つ元気になる方法という視点でヤマシタ的5選を選んでみましたが、38個のノウハウはどれもすぐに実践できるようなものばかり。ビジネスマン以外でも、人生を楽しく生きたいという欲求は誰しもが持っていると思います。
科学的に元気になる方法ということで、様々な研究結果のエビデンスを基にした内容なので、効果は折り込み済み。すぐに実践できるノウハウ本としてすべての人にオススメできる一冊です。