「最低でも目標達成」を成功させる「予材管理」のすべて
営業活動において最も難易度の高い「目標達成を目指す」という行為は、すべての営業マンにとって最も興味関心の高い領域です。しかし世の中には「目標未達成」で終わってしまう企業が数多く存在します。
本著では、NTTドコモ、ソフトバンク、サントリー、野村證券といった超大手企業から、中小に至るまで200社の7割を3年連続で目標達成させたという驚異の仕組みについて、簡潔にかつ具体的に説明してくれる、「営業の指南書」です。
企業経営において「営業」というのは花形でもあり、重要度、難易度ともに非常に高いレベルにある経営要素の一つです。この営業活動における目標達成を必達にするためのノウハウが知りたい、営業に悩んでいるすべてのビジネスマンにオススメの一冊となっています。
著者:横山 信弘 (よこやま のぶひろ)
アタックスグループ パートナー
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長
企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。支援先は、NTTドコモ、ソフトバンク、サントリー等の大企業から中小企業にいたるまで。3大メガバンク、野村證券等でも研修実績がある。企業研修は、基本的に価格がつけられず「時価」。にもかかわらず、研修依頼はあとを絶たない。現場でのコンサルティング支援を続けながらも、年間100回以上の講演実績は6年以上を継続。
ベストセラー「絶対達成シリーズ」の著者であり、メルマガ「草創花伝」は3.8万人の経営者、管理者が購読する。コラムニストとしても人気で、日経ビジネスオンライン、Yahoo!ニュースのコラムは年間2000万以上のPVを記録する。
著書『絶対達成マインドのつくり方』『「空気」で人を動かす』など著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
出典:アタックスグループ
著名な経営コンサルタントの一人であり、企業研修など現場でのコンサルティングに定評があります。企業経営におけるKPI、営業活動の「目標達成」に主眼を置き、企業経営のパートナーとして研修や出版活動に力を注いでいます。
最強の経営を実現する「予材管理」のすべて:目次
- はじめに
- 「目標達成をめざす」のではなく、「最低でも目標達成」
- 「最強の経営」とは?
- 予材管理が「最強の経営手法」と呼ばれる3つの理由
- クライアント企業のみなさまによって編み出された実践的ノウハウ
- 第1章 なぜ「目標未達成」で終わる企業が多いのか?
- 「目標未達成企業」に共通する3つの課題
- 予材管理が企業にもたらす「5つのメリット」
- 予材管理は「経営理念を実現させる武器」である
- 第2章 「予材管理」という「最強の経営」手法
- 「最低でも目標達成する」ための手法
- 「案件管理」「商談管理」と「予材管理」の違い
- 「見込み」と「仕掛り」を合わせて100%をはるかに超えておく
- 「見込み+仕掛り+白地」で「事業目標の2倍(200%)」を積み上げる
- どうして事業目標の「2倍」なのか
- 予材管理をはじめる前に「予材資産」を蓄える
- 「セリングプロセス」に沿った行動計画を立てる
- 第3章 「予材の埋蔵場所」を正しく特定する方法
- 「予材ポテンシャル分析」を行い種をまく先を見つける
- 「アンゾフの成長マトリクス」で予材の埋蔵場所を判断する
- 「接触すべき先」は「単価×個数」で決める
- 「予材の受注リードタイム」から適正予材単価と適正予材量を考える
- 事業内容によっては適正予材規模が「2倍」にならない
- 「予材コンバージョン率」を意識すると目標未達成リスクを回避できる
- 「予材コンバージョン率」が低い場合は目標達成に向けた改善に取り組む
- 「ラインコントロール」を行い決裁権限者とつながる
- 「中期経営計画」に予材管理を役立てる
- 中期経営計画には現場の意見を反映させる
- 中期経営計画をつくる最大の意義は「社長の頭」が整理されること
- 「仕事が増えたら、人を増やす」のではなく「仕事を増やすために、人を増やしておく」
- 人事評価制度を予材管理と連動させる
- 第4章 予材管理を成功させる「マーケティング」の新常識
- 強い「マーケティングセクション」が組織全体をマネジメントする
- 会社組織を「経営」「マーケティング」「営業」の3つに分ける
- 口ばかりの「評論家」を生む原因は組織間の連携がないから
- プロモーション活動をするうえで重要な3つの概念「コスト」「アプローチ」「リターン」
- コスト削減だけでは根本的解決には至らない
- 「パーソナルアプローチ」と「マスアプローチ」の特性を理解する
- アプローチ数が増えるほどリターンのコンバージョン率が「下がる」
- 7種類のコミュニケーション手段を駆使する
- リターンには、「認知」「関心」「行動」の3種類ある
- プロモーションは、「受注」のためではなく「予材資産を増やす」ために行う
- 予材管理をマーケティングの「4P理論」から考える
- 営業現場では、マーケットインよりプロダクトアウトが正しい
- 第5章 リスク分散と複利効果を実現する「予材管理5つ道具」
- 「予材管理5つ道具」を使って行動実績を見える化する
- 「予材ポテンシャル分析シート」で「種まき」先を選定していく
- 「KPIカウントシート」で、行動の量と質をチェックする
- 「予材管理シート」で今季の予材を見える化する
- 「予材配線図」で「つながり」と「量」を明確にする
- 「予材管理ダッシュボード」で現状の行動を確認する
- 第6章 予材管理で実現する「ターンオーバー戦略」
- なぜブルーオーシャン戦略では強い経営ができないのか
- 「既存商品」と「既存市場」で予材を増やす「ターンオーバー戦略」
- 「商品力」がある会社は弱いが「営業力」がある会社は強い
- ターンオーバー戦略ならマーケティングコストがかからない
- ターンオーバー戦略に適している事業、適していない事業
「予材管理」とは何か
予材管理とは、目標の2倍の「予材(予定材料)」をあらかじめ積み上げ、目標未達成のリスクを回避する(最低でも目標を達成させる)経営マネジメント手法です。
予材管理は、従来型の経営手法とは根本的に発想が異なります。
なぜなら、予材管理は「目標達成をめざす」ものではなく、「最低でも目標達成する」ための方法論だからです。
営業におけるプロセスの中で、KPIとして考えられるものは何でしょうか。本著の中では、「見込み」「仕掛り」「白地」という3項目に分けて説明されています。
「見込み」「仕掛り」「白地」で事業目標の2倍(200%)を積み上げる
見込み
具体的なお客様・マーケットから確実に数字を見込める材料。「前期に口頭で内示をもらっている」「毎年決まった時期に追加発注がある」など、確実に計算できる予材。「見込み」に設定された予材は、原則的に「100%実績につながること」が前提条件。
仕掛り
具体的なお客様に対し、実際に見積もりや提案書を出し、受注へ向けて仕掛けている材料(一般的な案件、商談に当たる予材)。
お客様の顕在的なニーズが発生しており、提案する商品が決まっている、もしくはお客様が興味・関心を抱いてくれている状態のこと。
白地
その名のとおり、「真っ白」な状態の予材。「予材ポテンシャル」があり、今季チャンレンジしたい材料。新規顧客の材料もあれば既存顧客における新規材料もあるが、いずれもまだ仕掛かっていない。「仕掛り」と違って、「白地」は、お客様もまだ認識していない「仮説」。
これら3つの予材を積み上げ、事業目標の2倍(200%)を積み上げることで、最低でも目標達成する、といったことが可能にある考え方が予材管理です。
「案件管理」「商談管理」と「予材管理」の違い
営業・マーケティング活動における案件(商談)管理は、具体的に発生している商談(予材管理における仕掛り)の管理であり、お客様の明確な意思表示をともなっています。
いっぽう、予材管理は、まだお客様から明確な意思表示がない状態です。お客様のポテンシャルを推測して立てた「仮説」を含んでおり、そこが最も大きく異なる点です。
商談案件が実際には発生していなくても、営業パーソンの頭の中に「あの会社には、将来的に商談につながるポテンシャルがあるかもしれない」という仮説が立つのであれば、その仮説も「予材(白地)」として積み上げます。
普段営業パーソンが行っている営業プロセスの中で、案件管理(商談管理)と呼ばれるものは、しごく一般的に各会社営業部門で行われていると思います。その内容と予材管理がどう違うのか、この着眼点が重要であり、予材管理におけるもっとも難しい部分でもあると感じます。
現状内示をもらっている案件だけで積み上げ士気に、目標達成までのプロセスを考える案件管理(商談管理)とは違い、予材管理はまさに「逆算思考」。「目標の2倍」という明確で分かり易い指標を掲げることで、仮説思考や「毎年やっているから」といった判断がまかり通ることはありません。
営業における重要な要素「逆算思考」が、各営業パーソンの中でもポテンシャルとして根付いていくというメリットも、この予材管理には潜んでいるのです。
最強の経営を実現する「予材管理」のすべて まとめ
著者の横山さんは、営業現場における、目標達成のためのコンサルタントということともあり、非常に現場で起こる様々なことに精通されたうえで、この本を書かれているようです。そのため、我々営業マンが本著を読み、実際の営業プロセスと照らし合わせたうえで「予材管理」を評価することが可能になっています。
予材管理とは何か、具体的な手法はどうやるのか、といったことがより詳細に描かれており、まさに「目標を最低でも達成する」ことが至極当たり前になる、これこそ「最強の経営」と呼べるものではないでしょうか。