【新社会人必読】『これからの会社員の教科書 社内外のあらゆる人から今すぐ評価されるプロの仕事マインド71(田端 信太郎)』の感想・レビューまとめ
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これからの会社員にとって必要なマインドセットとは

令和元年が終わり、いよいよ2020年、令和時代、社会トレンドが大きく変わってきた昨今、本ブログの読者であるビジネスマンの皆さんにとって会社員としてのプロフェッショナリズムとはなにか」を改めて考えさせられるフェーズがやってきています。
昭和・平成・令和と三世代を生きているヤマシタも、令和時代の会社員として求められるマインドセットは、これまでのものとは大きく異なると感じています。
本著の中で語られることは、半ば「昭和世代の意見」と言っても過言ではありません。これだけ聞くと否定的な内容として捉えられがちではありますが、実際には、社内外で高い評価を獲得するプロのサラリーマンを体現している田端信太郎氏の評価がその有用性を物語っています。
会社員として働くのは時代遅れである・嫌なことからは逃げた方が良いなどの価値観に対しては、これまでの書評などからも個人的にも強く賛同をしていますが、そもそもそのベースにある、「仕事の基本」というものをマスターした上で持っておくことが重要です。
なぜなら、ビジネスにおいて「損をしてしまう」からです。優れたビジネス感覚や感性を持ち合わせた起業家がいたとしても、対面で接した場合に、経済・法律・歴史 などに触れていない、わからないといった人であった場合に特はしなくても損をする遭遇確率が高まってしまうためです。
時代の寵児と呼ばれるような多くのビジネスの最前線に立つ人物であったとしても、基本的なコミュニケーションスキルや、会社員としての基本を持ち合わせた上で、独創的な発想や発信を行っています。ホリエモンのやっていることをそのまま体現したところでホリエモンにはなれないことと同様です。

会社員としての仕事の基本を教えてくれる会社は極めて稀

  • 風邪をひいたら、休むべきか?
  • ミスをしたとき、どうすればいいのか?
  • これからの時代、なにを学べばいいのか?
こうした問いに答えられる社会人はどれほどいるでしょうか。
ビジネスの世界には「正解」というものがありません。上記の問いに対しても、答えはありません。
ただ、正解は選ぶのではなくて、自分でつかむものです。事前に100%正解がわかるはずはありません。ビジネスの正解は、自分で作るしかないのです。正解が「与えられるもの」だと思っていてはダメです。
一方で、プロの会社員としてのスタンスとしての最低限のルールやマナー言ったものは存在します。
「これからの会社員の教科書」には、こうしたサラリーマンとして習得しておくと得をするメソッドが数多く登場します。
多くの日本人は、大学を卒業後、様々な企業に入社し、現場では数多くのルールを学ぶこととになります。
そこには、その仕事におけるテクニカルスキルや、論理的思考に代表されるポータブルスキルといった領域に加えて、上司との付き合い方や、言語化されていない空気の読み方といったものまで存在します。
しかし、それを言語化して体系的に教えてくれる先輩の存在は非常に稀です。多くは自分の成功や失敗といった経験・体験から独自に覚えていく他ありません。それを本著では言語化され、体系化され、社会人として生きていく上で「損をしない」ための会社員としてのプロマインドとして71の項目にまとめてあります。

著者:田端信太郎

田端信太郎氏はTwitterフォロワー数20万人超の「サラリーマン」。NTTデータ→リクルート→livedoor→LINE→ZOZO→TOMORROWGATE というキャリアを歩むスーパー会社員。
ヤマシタもTwitterをフォローさせていただき、刺激的な発信でまさしく炎上しているようなネット業界における著名人の一人。
そんな破天荒な人物の著者でありながら、本著「これからの会社員の教科書」は、いたって昭和的て、いたってまともなまさしく会社員のための教科書といった内容です
田端氏の刺激的な物言いの背景や根底にある、ビジネスマンとしてのレベルの高さを垣間見たい方や、田端氏のファンにとっても楽しめる一冊となっています。
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これからの会社員の教科書のポイント

ここではヤマシタの個人的学びのポイントをまとめました。
 流し読みするだけでも本著で書かれている様々なマインドの一端を垣間見ることができるはずです。

仕事を振られたときに確認すべきこと

その仕事の「ゴール」は何か。目的意識をきちんと持ち、使えるリソースを把握した上で仕事に臨まなければ、目の前の作業そのものに意味を成すことができず、有意義なアウトプットをすることができません。何かの作業を始める前に、きちんとその仕事におけるゴールを確認した上でリソースを投下するようにしましょう。

ファクトとオピニオンを区別せよ

ビジネスにおいて様々なグレーゾーンが存在します。曖昧ななかでも、確定している事実は何か、それを押さえた上で情報を共有することが求められます。それは事実なのか、報告している本人の感想・意見なのか。曖昧な中で上司が意思決定をスムーズにすることはできません。ファクト:客観的な事実 なのか、オピニオン:自分の解釈が入った意見 なのかをきちんと区別しておくことが重要です。

「正しい意見」が通るとは限らない

正しいことを実現するためには、何よりも「段取り」が必要です。ビジネスの世界においては「根回し」がとても重要。組織で生きるサラリーマンにとっては、この根回し力を鍛えることで、自分が本当に正しいと思うことを実現し、自由な働き方を叶えることができることを認識しましょう。

ロジックで勝てると思ってるやつは0点

同僚との会議の中で、ロジカルに相手の意見を否定することそのものに価値はありません。否定するのであれば、代替案を出すことがマナーです。「それは●●の理由でダメだと思います。」「なるほど、ではきみはどうすればいいと思うかな?」この対話の中できちんと意見を述べられるかどうか、ロジカルな考え方ができたとしてもその先を求められるのがビジネスの現場なのです。

お詫び訪問は「コントである」

お詫び訪問は誰しもが気乗りしないものです。しかし場数を踏むとまるでコンとかのように自らを俳優のように演じ抜くことができます。会社対会社としての付き合いがビジネスなので、こちらも相手もビジネスにおける対わいであり、私たち個人が究極的に悪いということで謝罪に行くことは少ないです。気負いしすぎることなく適切なコミュニケーションを心がけましょう。

「現地・現場・現物」に価値がある

情報収集はビジネスマンにとって息をするのと同様に重要。しかし、新聞やツイッターなどを眺めているだけでは、生の情報を得ることはできません。そして現物の情報に触れることで新たな知見を得る時に対しても、より説得力を強く持つことができます。直感がより磨かれていくため、意見を述べる際にも机上の空論となるリスクを下げることができるのです。

ビジネスのルールを知らない人が多すぎる

貸借対照表と損益計算書というのは、ビジネスにおいて基本的なルールの一つです。営業マンが何かを売り込む時に、その商談が成立した時に、BS/PLにどのような影響を及ぼすのか、ということがイメージできるかどうか、この有無で成約率や売上には大きな差が生まれます。ビジネスという領域で戦うビジネスマンである以上、そのビジネスの基本ルールをどれほど熟知できているか、それによって業績が大きく変動することは想像するにたやすいことかと思います。

逃げ道があれば、つらい仕事も「サウナ」になる

「イヤだったらいつでも辞められる」というマインドを常に持ちながら辛い環境に身を置くことは、サウナに浸かっていることと同じ。サウナはしんどい思いもありますが、水風呂と交互に入ることで調子を整えることにつながります。しんどい職場環境の中であったとしても、そこから抜け出す術を持ち合わせながら、ハードワークを楽しめるだけの力量をつけ、ビジネスレベルを高めていくことができるお得な働き方を身につけましょう。

「縮小均衡」より「拡大均衡」

会社の経費で様々なオプションを活用することができますが、それを節約することよりも、大きく使ってしっかり投資対効果をあげることを念頭に置きましょう。経費も会社にとっては投資の一つです。その投資を行うことでハイリターンを得ることができるのであれば、タクシーに乗ろうが、秘書を雇おうが説明責任を果たすことができるはずです。ケチケチして成長することは難しいです。じゃぶじゃぶ経費を使うのではなく、使った分だけ大きく稼いでやろう、という拡大均衡の思考を持てるようになりましょう。

中堅サラリーマンが「参考になる」と言っていては終わり?

本書を読んで参考になった、と言っている中年ベテランサラリーマンは終わりだ、という趣旨の内容を拝見しましたが、ヤマシタはそうは思いません。
ビジネスに正解がない以上、サラリーマン、会社員としての「生き方」に対しても正解がないと思うからです。得か損か、という文脈においては、参考になるといっている時点で、大きく損をしているということにはなりますが、だからと言ってサラリーマン人生が終わるわけではありません。人生100年時代と言われる昨今、独立・起業という道もありますが、まだまだ何十年と働く多くのビジネスマンにとって、学ぶことに遅すぎるなんてことはありません。損をしたということをしっかりと受け止めて、自らを省み、本著でこれから学んでいけばいいだけのことであると感じます。
そういう観点からいえば、新人だけではなく、中堅マネージャークラスの世代にとっても、今一度「読み直す」ことで学びを得ることができる一冊でもあります。

これからの会社員の教科書:まとめ 令和時代のサラリーマン必読の一冊

  • 就活中の学生:会社員になるってどういうことだろう?
  • 新卒3年以内の新人:仕事が楽しくない、うまくいかない...
  • 部下を持ち始めた新人マネージャー:部下の気持ちがわからない、理解できない
この辺りのラインにいる人に強くオススメできる一冊でした。
これからの時代、サラリーマンとしての働き方は個々人に委ねられており、それぞれの生き方に正直に生きていく必要性が、ニュースや様々な書籍によって説かれています。そんな中で、自由に働けばいいんだ!という一元的な捉え方だけでは、プロフェッショナルとしての会社員にはなることができません。
まさに「守・破・離」でいうところの「守」。会社員の教科書、というタイトルからも分かる通り、これらのマインドをないがしろにして長く大成することは難しいことが容易に想像できるような内容に仕上がっています。
令和時代のサラリーマンにとって、一度は手にとってもらい後輩に伝えていってほしい、そんなオススメの一冊でした。
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