明石ガクトの本「動画2.0」とは
「若者よ、チャンスをつかめ!」
キャッチ―な帯がついた、ビビッドレッドの装丁が印象的な本著。
動画時代と呼ばれる昨今。その背景と、その時代に沿った若きクリエイターを応援する本です。
なんだか最近、メディアやコンテンツの在り方が変わってきたぞ。そう感じる根本には、著書がいう「ヴィジュアルストーリーテリング」という技術がある。これまではテキストや映像といった技術を使ってコミュニケーションがされてきましたが、これからの時代はそれを、「動画」として配信し、それを享受する。それを当たり前に行っていく時代になるといい、すでにその時代の流れに入り込んでいるということが書かれています。
そして、その波はすでに新たなムーブメントを生み出すきっかけになりつつあることも示唆されています。
ヤマシタはすでに30を超えたおじさん領域に突入しており、昔から家にはテレビがあり、スマホで動画を見る事なんて考えもしない時代を生きてきました。そんなおじさん世代であっても、本著で書かれている動画の時代の変遷と、今後を見据えたアドバイスには刺さるものがありました。
今後クリエイターを目指す、という人は当然のことながら、時代の流れを見据えてきたビジネスマンたちにとっても、非常に刺激的かつ分かり易い今後の動画ビジネスの流れを把握するためには、読んでおいて損はない1冊であったと感じます。
この記事でわかること
先にある通り、今後の動画ビジネスの流れなどに触れ、未来を担う若手クリエイターのために、「動画で食っていくためには?」のノウハウを惜しげもなく公開してくれています。
その中身はぜひ本著で読んでいただきたいと思いますが、クリエイターではないヤマシタが読み、ビジネスマンとして押さえておくべき現代のメインストリームをかみ砕き、印象深かった項目をご紹介します。
「動画2.0」この本を読むべき方
10代20代の若者
今後、コンテンツを創り出し、発信していく若手のクリエイターの卵たちにとっては、とくに本著は教科書的な立ち位置になることでしょう。具体的な映像の手法に始まって、マネタイズの方法にまで触れ動画ビジネスを切り出してくれています。
著書も書いてある通り、この本は未来を担うクリエイター、きみのために書いている、とあり、未来を自ら作り上げていこうとしている真っただ中の人には特にお勧めできる本です。
最近では、将来なりたい職業の一位にYouTuberがランクインすることもニュースに取り上げられていましたが、それほどまでに動画というものは、若者の生活の一部に溶け込んでいます。
そして、これからはそれを再生する側ではなく、録画する側に回るのだ、ということを進めてくれている本です。
もしもヤマシタが、本著を12歳の時に読んでいたら、今のような人生は歩んでいなかったと思います。
世の中の流れに出遅れ感を感じているビジネスマン
逆に、すでに別のビジネスで生きている人にとっても、現在の動画ビジネスの流れがどうなっているのかを知るために非常に有意義な著書であると感じます。
YouTubeの一番最初にアップされた動画はどんなものか。メディアにはどういう流れがあり、Twitter、Instagram、そしてTikTokへと変遷を遂げていったのか。こうした流れが分かり易くまとめてあり、そして未来への示唆で締めくくられています。
内容を拝借すると、現在は、動画はサードウェーブに入っている。その最たる例がTikTok。今では小中学生の方が、センスあるイケてる動画を作って配信する時代になっています。
つまり、世の中に見初められ、必要とされる存在は、必ずしも大人である必要はないことも、この動画ビジネスにおいて重要なポイントなのです。
我々はすでにおじさん世代であり、こうした新たなテクノロジーについて行く事で精一杯かもしれませんが、しかしながら、それすらも偏見であり、「とにかく物語は転がしていかないと何も起きない」と著者が尊敬する人の言葉だそうですが、何かを待っていても何も始まらない、というメッセージは我々おじさん世代に対しても向けられているのだと感じます。
「動画2.0」印象的な項目
動画のファーストウェーブ→セカンドウェーブ→サードウェーブ
ここでは、動画(Video)の始まりについて語られます。
動画のファーストウェーブ。
2005年、この年に全人類が知っているであろうYouTubeが生まれました。
世界最初のYouTube動画。その一本目の投稿動画が紹介されています。
『Me at the zoo』https://www.youtube.com/watch?v=jNQXAC9IVRw
初めて見ましたが、なんとつまらない。笑
当時はきっと、こんなもの誰が見るのだろうと思ったことでしょう。
そして、セカンドウェーブ。
Facebookが動画に対応し一、早回し料理動画がブームになりました。著名なのは「Tastemade」。
そして、その早回し料理動画の作り方まで、ご丁寧にまとめて下さっています。機材さえ集めればすぐにでも動画が取れちゃいそうな勢いです。
さらに、サードウェーブ。
これは、TikTokなど新しい動画プラットフォームがブームになることを指し、今はまさにその真っただ中にあります。
この流れを知れたことだけでも動画ビジネスの歴史を学ぶことができ、未来を予測することに大きく役立つことでしょう。
時間のセグメントが変わった
テレビの視聴率や動画の再生回数は、配信する側からすれば大きな関心ごとの一つですが、その対象である視聴者が、スマートフォンの登場によって、生活状況が大きく変わりました。
具体的には、時間のセグメントが変わったとここでは触れられています。本著から抜粋したグラフですが、テレビとスマホの接触時間の比較が上げられており、2012年から2018年の6年の間に、メディアに触れている時間はトータルで約40分増え、その中では、携帯・スマホに触れる時間が著しく伸びていることがわかります。
我々の体感でもイメージを持ちやすい部分ではありますが、こうして具体的な数字にされるとよりインパクトを受けます。
ここで言えることは、テレビを見る時間はまとめて1-2時間、という時間の使い方でしたが、今のスマホユーザーは、1-2時間を細切れにして享受しているということです。通勤合間の移動時間の1,2分でTwitterから流れてきた動画を見る、Instagramにアップされているカワイイ犬の動画に目を奪われる、これらは細切れに動画を享受していますが、こうしたことは、これまでのテレビの映像ではできませんでした。
しかし、それが動画にはできる。ユーザーとの接点を持つうえで、この生活様式に最もマッチしたメディア・コンテンツだと理解できます。
「動画2.0」まとめ
動画2.0と題目にあるように、動画ビジネスにおける次世代の考え方がまとめられている本著ですが、今後どういったプラットフォームにどういったコンテンツを当て込むべきなのかといった視点を、常に持ち続ける必要性を説かれています。
これからはこのようなブログではなく笑、写真でもなく、動画。動画コンテンツこれからの時代最も優位に立つコンテンツであり、こうしたビジネスの中心に多くの若者が参入する。
こうした時代を横目に見ながら何をするのか、という点を今一度考えさせられる、時代の流れをくみ取った素晴らしい本だと思います。
若者、クリエイターを目指す人、にとっては必読の著書。オススメです。