日本一稼ぐ弁護士の仕事術はビジネスマンに向けた自己啓発本
弁護士という職業は高給取りであるイメージが非常に強いですが、その弁護士の中でも飛び切り稼いでいる弁護士というのが存在します。その一人福永活也さんが書かれた著書。弁護士の仕事と我々一般のビジネスマンの仕事では、仕事内容こそ違えど、仕事に対する姿勢や考え方、価値観といった点においては同じ視点があると考えられます。どういった仕事術をもって日本一稼ぐ弁護士となったのか。その真髄が描かれた一冊となっています。
日本一稼ぐ弁護士:福永活也さん
福永活也(ふくなが・かつや)
弁護士・実業家・冒険家
名古屋工業大学を卒業後、24歳までフリーターとして過ごす。その後、関西大学法科大学院を経て、27歳の時に司法試験に出願者数7842人中56位の成績で一発合格。
弁護士として働き始め、5年目にして独立。
独立1年目から2年連続して弁護士業のみで年収5億円を突破し、「日本一稼ぐ弁護士※」となる。
その後、不動産投資、レストラン・モデル事務所・人狼ゲーム店舗の経営等、幅広く活動。
プライベートではエベレスト登頂を果たし、冒険家グランドスラム(世界七大陸最高峰の登頂及び北極点と南極点到達)に挑戦。
現在、エベレストを含め、七大陸最高峰と南極点を制覇している。※2014・15年度 国税庁統計年報 所得種類別人員における主たる収入が「弁護士」の区分で最も高いレンジである課税所得5~10億円に入る。
弁護士でありながら、レストランやモデル事務所の経営など多角的に展開されている方。
加えて、冒険家としてエベレスト登頂なども為し遂げられているという我々からすれば雲の上のような存在の人。
そんな人が日本一稼ぐ弁護士になったのは
「誰でもできることを、誰よりもやる。やってきたのは、これだけだ。」
こう言わしめるほどの仕事術とはいかなるものなのか。
本著ではその一端を垣間見ることができます。
日本一稼ぐ弁護士の仕事術の目次
これらの目次を読むだけでも非常に興味深い内容が満載です。
- Chapter1:日本一稼ぐ弁護士の「仕事」の考え方
- 「ドリアンようかん」はすきですか?
- 今日から3年間、一度も「忙しい」と言わずに生活する
- 仕事の対価は、報酬と経験である
- 自分の年収とプロ野球選手の年俸を比べてみる
- スピードと時間量は誰でも持ち得る武器である
- 不安の大半は自信や自尊心を喪失することへの心理的恐怖である
- 目的が成功ではなく「失敗しないこと」になっていないか
- 歳を取るリスクを意識する
- 挑戦前の無限・無数の不安は、挑戦後に具体的課題になる
- 一度も反対されたことのない成功者はいない
- 他人ができることは自分も必ずできる
- 目の前の挑戦を正しいものだと考える
- 今、熱中できるものに取り組めばいい
- 小さな夢や目標を作って進んでみる
- 夢や目標を持つのに遅すぎることはない
- 人生はボウリングではない
- 挑戦にまつわるこんなんや不安を「楽しみ」に変換する
- 「辛い」と「楽しい」は両立する
- 組織や資格、肩書に依存することが安定なのではない
- 大志よりも一日一日の積み重ねが大切
- 普通のことを積み上げるだけで、十分な価値がある
- 誰でもできることを誰よりもやる
- 不公平を受け入れる
- Chapter2:日本日稼ぐ弁護士の「仕事」のやり方
- 「できる、できない」ではなく、「する、しない」を考える
- 成功の具体的なイメージを描く
- 本来の締切期限を考えず、今を起点に作業を開始する
- ゆっくり考えて1つを試すより、スピーディーに3つ試す
- タスクを携帯アラームに登録し、空になるまで働く
- ファーストドラフト感のある仕事をしない
- 成果物は必ず一日寝かせてから、再度確認する
- 困難に対する想定の範囲を広げる
- 集中度や時間量に応じた仕事をする
- 不得意なものを得意だと言ってしまう
- パスワードで自己暗示する
- 苦手な相手には意図的に近づく
- クライアント以上にクライアントを知る
- 上司やクライアントへの報告は金曜の朝までにする
- 過去に送信したメールを定期的に見返す
- 自分史上の伝説を作っているつもりで取り組む
- 経営者意識を持つ
- 恩送りを意識する
- 営業の秘訣
- Chapter3:日本一稼ぐ弁護士の「人生」の考え方・楽しみ方
- 24時間全てを活動時間に充てる
- 人からの誘いは内容を聞かずにOKする
- 仕事を理由にプライベートの約束を断らない
- 一期一会を大切にする
- 一度会った方には自分から連絡をする
- 心のフットワークを軽くして、すきになれるかもしれないものに挑戦する
- 偏見を持たずに、必ず一度は試してみる
- 二者択一ではなく、多くのことを同時に試してみればいい
- 一流に触れてみる
- 全力で熱中する
- 趣味に命を懸ける
- 人生が10回あればやってみたいことをする
- 肩書に縛られない
- 過去のキャリアとの連続性を考える必要はない
- 先入観を持たない
- 成功できそうにない夢や目標を持っても構わない
- 仕事と趣味の区別を設けない
- 自分の、自分による、自分のための人生を大切にする
各項目ずつに福永活也さんの価値観が描かれており、どこを切り取っても参考になる文面が並びます。
仕事のスピードは最強の専門性になる
深い専門性や最先端の知識で勝負しようと思えば、キャリアの長い弁護士には中々勝てません。しかし、スピードであれば喝ことができるかもしれない。
キャリアというのは先に始めた人に対して、後発組は一生かかっても追いつくことはできません。それよる経験値や深い専門性説いた領域は、やはりキャリアの長い人にとっての強みになります。
しかし、誰よりもスピードがある、誰よりも丁寧な仕事をする、誰よりも依頼者と感情を共有できる、といったことでも、クライアントに対しては強い訴求力を持ちます。「この人は本当に仕事が早いな」と相手に思わせることができれば、それだけで自分の競合と比べたときに、頭一つ抜きんでることができるのです。
福永活也さんは本当に24時間働き続けているのではないか、と思えるような働き方をされています。我々がそれを完璧に真似することができるか、といえば、非凡な才能を持たれている福永さんとは違うので、なかなか難しい側面があるとおもいます。
ただ、「普通の仕事を圧倒的なスピードでこなす」ということに対しては、目の前の業務に対して取り組むことができる、まさしく「誰にでもできること」です。この誰にでもできることを続けていく事、これこそが最強の専門性を磨くための仕事術の一つなのです。
歳を取るリスクを意識する
こうした言葉は、どの自己啓発本、ビジネス書を読んでも出てくる言葉です。使い古された言葉でありながらも、成功者が成功者たる理由を表した本質的な言葉です。
しかし、我々は中々その一歩を踏み出すことができません。多くの人はそのリスクをとることに対して躊躇してしまいます。
ですが、「リスクをとらない事によるリスク」というものも一方で存在します。それはここでいう「歳を取るリスク」です。
年齢は人が一律で重ねていくものであり、年齢を重ねるごとに選択肢は必然的に減っていきます。体力的な問題も、脳の神経系の問題もあるでしょう。また、外見面でも当然年齢による変化は訪れます。
歳を取るリスクとは「若いときには取ることができたリスクを、歳を取ってしまったあとに取ることができないリスク」のことです。新しい挑戦をしない、という選択肢そのものを否定するつもりはありません。ただ、その選択は、歳を取るリスクと比較検討した結果であるべきであると考えられます。時間は有限である人生の中では、歳を取るリスクというものは、とても大きなリスクであることを許容したうえで物事を選択していく必要があります。
「明日やる」を7回繰り返すと来週になってしまう
何か新しいことに挑戦するときに成功「できる」か「できない」で考えていても、100%成功できると確信して物事にチャレンジすることはできません。
しかし、挑戦「する」か「しない」かは自らの意志で選択をすることができます。自分でコントロールできない「成功」というものにとらわれるのではなく、挑戦「する、しない」という行動そのものに対して主体的に取り組む必要性が説かれています。
多くの人が成功しないのは、「成功しなかった」からではなくて、「挑戦しなかった」からです。しかし、挑戦すらできないことなんて滅多にありません。
やろうかどうか悩んでいるときに、「明日やる」と決めて、それをまた明日やると決めてしまっていれば、7回繰り返すと来週になってしまいます。
「しないことを決める」ということも重要です。福永さんのように24時間フルで働いているような方であれば、全ての挑戦に主体的に取り組むことができるのかもしれませんが、我々のようなビジネスマンの中には、時間をなかなか創り出すことすらも困難な人もいると思います。一日は24時間で平等です。この時間をどう配分するかが主体的に変更可能な余地を残されています。その中で「しないこと」を選択し、主体的に挑戦「する」という意思決定を継続していけば、いずれ必ず成功「できる」という未来が待っています。
日本一稼ぐ弁護士の仕事術:まとめ
本著の中では、日本一稼ぐ弁護士である福永活也さんの仕事術がちりばめられています。まとめると大きく以下の3つに集約されると思います。
- スピード感のある仕事をしよう
- 「できる・できない」ではなく「する・しない」で主体的な意思決定をしよう
- 何事もまずはやってみよう
多くのビジネス書でも出てくる項目自体はそれほどに真新しいものはないかもしれません。しかしそれらをここまで徹底している人は数少ないと思います。弁護士という社会的地位の高い職種につきながらも、誰にでもできることを、誰よりもやる。この視点をブラすことなくきた福永さんだからこそ、まさしく日本一稼ぐ弁護士となれたのだな、と納得させられる一冊でした。
自分の仕事を省みたい人、モチベーションが上がらない人、もっと稼ぐために必要な視点を学びたい人など、多くのビジネスマンにオススメの一冊です。