【書評】『1日ひとつだけ、強くなる。世界一プロ・ゲーマーの勝ち続ける64の流儀(梅原大吾)』の感想
スポンサーリンク

1日ひとつだけ、強くなる。

最近ようやく市民権を得てきた「eスポーツ」という言葉。日本においては、プロゲーマーとして成功した第一人者である、梅原大吾さんが書かれた本著の中では、世界一のプロゲーマーとして勝ちつつづけるための64個もの名言や考え方がたくさん登場します。

プロスポーツ選手と同様に、数々のプレッシャーがかかる場面における精神面のマネジメントの際に気にかけていることなどから、1日一つだけ強くなる、という全体感を表した言葉に至るまで、内容は様々ですが、これらの内容がビジネスマンにとっても非常に参考になると話題を呼んでいます。

ゲームが市民権を持つこの時代、どんな領域でも第一人者の考え方は、ビジネスの現場にも必ず生かすことができます。ビジネスの最前線で戦っているビジネスマンにとっても、梅原さんの数々の言葉に感銘を受ける一冊に仕上がっています。

プロゲーマー「梅原大吾」

梅原 大吾(うめはら だいご、1981年5月19日 - )は、日本のプロゲーマー。

日本での愛称はウメハラ、ウメ、ウメさん。アメリカでは本名のDaigoのほか、The Beastというニックネームでも知られる。

2D対戦型格闘ゲームにおいて数々の大会を制している、国際的に著名な格闘ゲームプレイヤー。とりわけカプコン社製の対戦型格闘ゲームで実績を多く残し、同社開発本部長(当時)の岡本吉起から「10年に一人の天才」と呼ばれた。

引用:Wikipedia

ヤマシタもかつてストリートファイターという格闘ゲームをプレイしたことがありますが、そのプレイヤーの中で最強の一角を担う梅原大吾さん。

YouTubeなどで様々なゲーム動画が出ている中で、もっとも有名なものの一つが「背水の逆転劇」という動画。これは、ストリートファイターという格闘ゲームの、海外での大会で梅原大吾さんが見せた奇跡の逆転劇の動画です。


これ以外にも、数々の輝かしい成績を残しており、日本人プロゲーマーの第一人者として今もなおその名を轟かせています。

この記事では、本著を読んだビジネスマンヤマシタがビジネスの現場においても参考になる部分を抜き出し、新しく解釈したものを紹介しています。

1日ひとつだけ、強くなる:目次

  1. 視点を高くする―ストリートファイターZERO3全国大会、17歳
  2. 感情を支配する―Evolution2003、22歳
  3. 成長とは変わること―闘劇2004。23歳
  4. 飽きても続ける―プロ・ゲーマーになる、28歳
  5. 「ここ一番」で勝つ―MADCATZ UNVEILED JAPAN、32歳
  6. 才能を越える―今の僕が思うこと
スポンサーリンク

勝負は「ポイント」を押さえた人間が勝つ

ルールのある競争において、そのポイントを押さえることは重要だ。スポーツならルールブックやレギュレーションの範囲でポイントを探る。ゲームなら「画面の中でできること」がそれにあたる。ポイントを誤ると結果は出ない。

ここでは、ストリートファイターZERO3という新しいゲームでの戦い方は、まだ新作ということもあり、基本やセオリーという土台ができていない状況であった大会で、ライバルに負けたエピソードが紹介されています。

勝つために必要なポイントはどこにあるのか。その本質をズレたまま認識して突き進んでいくとどうしても勝てない相手というのが出てきます。ビジネスの現場においてもこれは重要な視点であり、ビジネス上の課題認識を誤ってしまうことで、大きなリスクを被ってしまうケースがあります。これまでの成功が必ずしも再現できるわけではないシーンに見舞われたとき、「期限がある勝負ではこだわらず、やり方を変える」という梅原大吾さんの考え方を参考にする必要があります。

自分がこれまで成功してきたスタイルを変えるというのは、多くの人からすればリスクも高く慣れ親しんだことを捨てるということに抵抗感を覚えるものです。しかし、ゲームの大会と同様に、ビジネスにおいても期限が設定されています。そのため、結果の出ない方法でポイントを外したまま戦うよりも、本質的に成功に近づける手法をいち早く取り入れた方が、より成功に早く近づくことができます。

ゲームの世界であってもビジネスの世界であっても、勝つためのポイントを掴むということは、それすなわち成果に直結することと同義なのです。

不確実な圧勝より、60対40で着実に勝つ方が強い

弱い人というのは目先の損が我慢できない。状況を考えず勘定で前に出てしまい、自分のリズムを崩すきっかけを作ってしまう。当然、結果も出ない。

梅原大吾さんは、勝つときも負ける時も自分のスタイルを冷静に貫くことが重要だと言っています。自分のリズムというのはビジネスシーンにおいてもとても重要です。なぜ成果が出ないのか、これまでのリズムで仕事をしているのに成果が出ないときには、自分の行動を振り返るうえで、突拍子もないことをいきなり始めると、何が原因かわかりづらくなってしまいます。

また、調子のいいときも、極端に攻め立てることで自分のリズムを崩し成果を得られないケースもあります。

本著「一日ひとつだけ、強くなる。」の中では、梅原大吾さんのゲームプレイのスタイルもさることながら、こうしたマインドセットが数多く紹介されています。プロゲーマーの世界というのは、見た目以上にハードで、コンマ何秒の世界で一つ一つの意思決定を連続して行っています。そんなときに、基本となるコンセプトがしっかりしていないと、その都度都度で相手に打ち負かされてしまう。こういったことを梅原さんは戦いの中で身につけていったといいます。

ビジネスシーンにおいても、仕事のリズム、というのは言い表せない領域での強いコミットメントを発揮します。朝会社を出社し、何をすべきか、こうしたときにいつもやっているリズム感で成果につなげていくために、自分のリズムというものを見極め、適切に調整をかけていく必要があります。極端な価値を短期的に得られるよりも、ビジネスシーンにおいても、中長期的に成果を残し続けられる人材が重宝されることはイメージに容易いと思います。全体を通じて、60対40での成功を目指していきましょう。

1日ひとつだけ、成長をメモする

ぼくにとってのモチベーション。そえは成長を実感することによる喜びや楽しさにある。

本著のタイトルにもなっている1日ひとつだけ、強くなる。ということを、梅原大吾さんは、メモを取ることで実践しているといいます。

ここでいう成長というものは、なにも目に見える他者からの評価だけにとどまりません。他社から評価されない内的な成長をいかに自覚しながら継続することができるか、といったことが重要だといいます。小さな成長を自分で感じることで、それを成長の実感とともにモチベーションに変えることができます。そのモチベーションをもって次の成長を目指すことができ、継続的に成長し続けることができるのです。

また、この小さな成長を感じていくためのコツとして、「ハードルを下げる」ということをおススメしています。たとえわずかであっても、昨日の自分よりも成長していることがあるのであれば、それを肯定していこうということです。自分のやっていることは自分が一番評価してあげる、そのための評価軸を自らの中においておくということです。

ビジネスシーンにおいてもなかなか成果が出ず、苦しむ時期というのはあります。しかしその中でもがいている時、多くの人は小さな成長を遂げています。ですが、その小さな成長に目を向けないと、どうしても分かり易い成果につながらない苦しさから心が折れてしまいます。

そんなとき、この「1日ひとつだけ、強くなる」ためのメモというのは非常に強力な武器になります。自分のモチベーション管理もさることながら、自己肯定感につながり、日々を生き生きと過ごす活力にもなることでしょう。

1日ひとつだけ、強くなる。:まとめ

プロゲーマーという生き方そのものがまだまだ新しい領域だと考えられている現代日本において、最前線を走っている梅原大吾さんの考え方の中には、ビジネスマンと全く変わらない非常にレベルの高いマインドセットがあることがわかります。ゲームなんて、と思っている時代はすでに過去のものであり、市場規模は日本においても数十億円に上るといわれ、さらに伸びていくことでしょう。そんな領域で活躍しているプロゲーマーは、決してオタクの一領域ではなく、一流のアスリートであるといえるでしょう。

そんな人の考え方や勝負勘を形作っているのは、本人のマインドセットから生まれる地道な行動の一つ一つです。その一端を垣間見ることができる本著では、多くのビジネスマンが読んで共感を呼ぶ項目が数多く出てきます。日々の仕事におけるモチベーションが下がっている人や、今一歩突き抜けることができないと悩んでいるビジネスマンにオススメの一冊です。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事